空芯コイルは、磁性体のコア(鉄心)を持たないコイルのことを指します。一般的な鉄心コイルと異なり、磁性材料による影響を受けないため、高周波特性に優れているのが特徴です。本ページでは、コモテクノスで製作可能なカスタムコイル紹介のほか、空芯コイルの基本原理、メリット・デメリット、用途、設計時のポイントなどを詳しく解説します。
1.空芯コイルとは?
空芯コイル(AIR COIL)は、その名の通りコアに磁性材料を使用しないコイルのことを指します。
鉄心を使用しないため、磁気飽和やヒステリシス損失の影響を受けません。
1-1. 空芯コイルの基本構造
空芯コイルの構造はシンプルで、以下の要素から成り立ちます。
- 導線(銅線・アルミ線・ステンレス線・パイプ線など):電流を流すための線材
- コイル形状:巻き数や巻き方によってインダクタンスが決まる
- 支持体(ボビンなど):巻線を固定するための樹脂やセラミック製の枠(ない場合もある)
2.コモテクノスで製作可能な
カスタムコイル

面実装対応空芯コイル

エッジワイズコイル

基盤さしこみ用コイル

多層巻コイル

ジャンパー線・バスバー

その他コイル
3.空芯コイルのメリットとデメリット
3-1. 空芯コイルのメリット
- 高周波特性に優れる
→ 磁性体の損失がないため、高周波帯域でのインダクタンス特性が安定する。 - 磁気飽和がない
→ 鉄心コイルに見られる磁気飽和の影響を受けず、大電流でも特性が変化しにくい。 - ヒステリシス損失がない
→ 磁性体を使用しないため、エネルギー損失が少なく、効率が良い。 - 温度特性が安定
→ 磁性体の影響を受けないため、温度によるインダクタンスの変化が少ない。
3-2. 空芯コイルのデメリット
- インダクタンス値が低くなりがち
→ 鉄心を使用しないため、同じ巻数でもインダクタンスが小さくなる。 - サイズが大きくなりやすい
→ 必要なインダクタンスを得るために、多くの巻数や大きな直径が必要になる。 - 外部磁場の影響を受けやすい
→ 周囲の磁場に影響を受けやすく、適切な配置が求められる。
4.空芯コイルの主な用途
空芯コイルは、その特性を活かして高周波回路や電波関連の用途で広く使用されています。
4-1. 高周波回路
- RF回路(無線通信機器)
- アンテナコイル
- 共振回路
3-2. 電源・インバータ関連
- ワイヤレス給電用コイル
- 高周波トランス
- DC-DCコンバータのフィルタ回路
4-3. センサー用途
- 磁気センサー
- 位置検出センサー
- 電流検出用コイル
5.空芯コイルの設計ポイント
5-1. インダクタンスの計算
空芯コイルのインダクタンス L(H)は、以下の式で近似的に求められます。

- N:巻数
- μ₀:真空の透磁率(4π×10-7 H/m)
- A:コイルの断面積(m²)
- l:コイルの長さ(m)
5-2. コイルの巻き方と形状
- ソレノイド型:直線状に巻いた基本的な形状。
- トロイダル型:ドーナツ状に巻いたコイルで、漏れ磁場を低減できる。
- リッツ線コイル:高周波特性を向上させるために、細い銅線を束ねたもの。
5-3. 配置とシールド
空芯コイルは外部磁場の影響を受けやすいため、隣接する部品との距離や配置に注意が必要です。必要に応じて磁気シールドを施すことで影響を抑えられます。
まとめ
空芯コイルは、高周波特性の良さ、磁気飽和がない特性、温度変化に強い安定性など、多くのメリットを持つ一方、サイズが大きくなりがちなデメリットもあります。無線通信やワイヤレス給電、センサー用途などで活躍しており、特性を理解した上で適切に設計することが重要です。
コモテクノスでは、用途に応じた最適な空芯コイルの製作を行っています。特注コイルや試作品のご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。



